ぼくのおふろ~2歳児のための近接所持~

「ぼくのおふろ~2歳児のための近接所持~」

鈴木のりたけ先生の「ぼくのおふろ」 (PHPわたしのえほん) 
娘が大好きな絵本です。
絵本としておもしろく,すごくおすすめです。

実は,この絵本「法律書」としても読むことができます。


「もじゃもじゃあたまのサングラス きっとあいつが犯人だ。」

もじゃもじゃあたまのサングラスは,犯人と言えるのだろうか?

窃盗が行われた日時場所と近接した日時場所でもじゃもじゃあたまのサングラスは,盗品を所持していたと本当に言えるだろうか?

盗まれたおふろのせんと,もじゃもじゃあたまが持っているおふろのせんは,本当に同じものなんだろうか?

盗まれたおふろのせんは,汎用品だろうか?特注品だろうか?


盗まれたおふろのせん,もじゃもじゃあたまが持っているおふろのせんが汎用品だったとして,もじゃもじゃは他機会に入手したのではないか?

その可能性・合理性はどうか??

本件では,窃盗の犯人性を推認するための間接事実として,近接所持(福岡高裁平成4年7月16日判決・判例タイムズ799号254頁等)を認定し得るのか?

もじゃもじゃあたまのサングラスは,常識に照らして間違いなく犯人と言えるのか?

裁判員に選ばれたら,市民の皆様が,こういったことに悩みつつ,もじゃもじゃあたまのサングラスの「犯人性」を認定していくことになります。

「ぼくのおふろ」


深い絵本です。

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