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自動翻訳と弁護士業務

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自動翻訳が、今ここまで来てるんだと実感。 https://youtu.be/61oFx09Co3U 今後、益々発展する分野だ。 外国人被疑者の接見の際の利用も、今後議論になっていくのだろう(もうなっているのかもしれない)。 通訳人が確保できない時の利用とか。 特に,初回接見は,とにかく早く!!が重要である。 Googleで何でも調べ、欲しい物はamazonで買い、Facebookで発信し、appleの端末を使う。GAFAを使わない日は1日もない。 考えて見れば恐ろしいことなのかもしれない。 しかし、この生活はもう捨てられない。 追記) さらにGoogle翻訳をいろいろ試してみたけれど、やはり英文や独文の構造を意識しながら、日本語を喋るとスムーズに翻訳してくれる。 もうひとつ、法概念、法構造を意識しながら日本語を言うと正しく訳してくれる。 例えば、成文法典である「民法」の具体的条文を摘示したい時、ただ「民法」と喋ると「civil law」と訳されるが、「民法典」と喋ると成文法を意味する「civil code」と訳される。 また、訴訟の期日について、単に期日と喋ると「Dead line」とまるで意味が通らない翻訳をされてしまうが、「裁判所の期日」と喋れば「Court date」と訳してくれる。 AIを使いこなすのは、やっぱり人だ。 今後は、より本質的で意味や概念を理解して使いこなすことが、重要になってくるのだろうか? AIが発展する社会における、人の知性の価値はいかにあるべきか? と言う点に関係しそうでとても面白い‼︎‼︎

公文書改ざんは犯罪か?

森友問題で話題となっている「公文書改ざん」は、果たして犯罪か? 実態として一番しっくりくるのは、財務省(行政)が、国会(立法)に資料を提出するに際して、決済文書の証拠価値を改変したと言う捉え方だ。 改ざん前と改ざん後では、明らかに文書の証拠価値(国会の立法その他の判断資料としての価値)が異なっている。 しかし、上記類型の行為を処罰する証拠偽造罪変造罪(刑法104条)は、「他人の刑事事件」に関する証拠が対象であるため、例えば「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」のように、検察官が裁判所(司法)の判断資料の証拠価値を改変すれば証拠偽造罪は成立するが、財務省が国会(立法)の判断資料を改変しても証拠偽造罪は成立しない。 (参考:大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E6%A4%9C%E7%89%B9%E6%8D%9C%E9%83%A8%E4%B8%BB%E4%BB%BB%E6%A4%9C%E4%BA%8B%E8%A8%BC%E6%8B%A0%E6%94%B9%E3%81%96%E3%82%93%E4%BA%8B%E4%BB%B6 公文書偽造罪変造罪(刑法155条)も、報道等で得た情報を前提とする限り成立する可能性が高いとは言えない。これらの罪は、当該公文書作成の権限がない者が勝手に公文書を作る場合に成立する罪だからだ。 報道等によれば、今回の件は、決済権者も関与していた可能性がある。 虚偽公文書作成罪(刑法156条)はどうだろうか? この罪は、当該公文書を作成する権限がある者が内容虚偽の公文書を作成することにより成立する。 しかし、決済文書としてみた場合、特例的なことが記載され特例的に決済されているとすれば「虚偽公文書」でも何でもない。 一方、決済文書を決済文書としてではなく、国会の「資料提供文書」としてみた場合、資料が虚偽であったと言う意味で「虚偽公文書」と見る余地はあるのかもしれない。 しかしこのような見方は、限りなく本件を証拠偽造罪変造罪に近づけて見ることになる。 そうすると、それでは証拠偽造罪変造罪が「他人の刑事事件」に限定されていることとの整合性に疑問なしとしない

舞台芸術のために何ができるか?

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心から敬愛してやまない、新国立劇場、飯守泰次郎オペラ芸術監督が、今期をもって退任される。 さまよえるオランダ人、ローエングリン、そして、ニーベルングの指環。 美しいだけでなく、英雄の幼稚さや暴力性も含めて、心から飯守監督の音が好きだった。 飯守監督が、新国立劇場オペラ芸術監督として、最後の演目に選んだのが、ベートーヴェンの「FIDELIO」だ。 ストーリーは、まるで水戸黄門のように、陳腐で安直だと思う。 しかし、最後の一節 Nie wird es zu hoch besungen,Retterin des Gatten sein. (夫を救った女性を讃える歌声は、限りなく大きく響く)を聴く頃には、心地良い感動の涙がとまらない。 癒しと活力を与えてくれる総合芸術に、ひとりの市井の法律家に過ぎない僕が貢献できることは何かあるだろうか?と時に考える。 劇場に通い、全神経を集中させてMusik dramaに没頭する。 そして、総合芸術の素晴らしさを、こうして語ることの他にあるまい。 (新国立劇場賛助会員懇談会にて)