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5月, 2017の投稿を表示しています

のんほいパークにて(規範の解釈について)

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のんほいパークにて(規範の解釈について) 子どもたちと「のんほいパーク」で,汽車に乗る。 動物園,植物園,遊園地と,子連れには,非常にありがたい。 その遊園地にて,長女が立って汽車から頭を出していたので, 「頭出しちゃだめだよ!!」 と言っていたところ, 「なんで?手や足って書いてあるよ。」 と反論を受ける。 「頭も出しちゃだめに決まっているでしょ!!」 なぜ,頭を出しちゃだめだと「決まっている」のか? 本当に「決まっている」のか? 「手」や「足」という言葉には,「頭」という意味も含まれるからか? しかし,「手」や「足」という言葉を,どう拡張解釈しても「頭」という意味は含まれない。 したがって,「手や足を出してはいけない」という規範から「頭を出してはいけない」という規範は,「文理解釈」からは導かれ得ない。 そこで,「手や足を出してはいけない」という規範から「頭を出してはいけない」という規範を導くためには,「手や足を出してはいけない」の文理から離れ,趣旨から類推していく解釈が必要となる。 すなわち,「手や足を出してはいけない」と規範の趣旨は,手や足 など を出すと危険であるという点にあり,その趣旨は,「頭」にも当てはまる。 したがって,「手や足を出してはいけない」と規範は,類推適用をすることにより,「頭」にも適用すべきである。 なお,人を処罰する刑罰法規は,このような文理から離れた「類推解釈」は許されない。 文理から離れた行為を処罰することは,人の自由を萎縮させてしまうからである。

子育ては難しい,,,,,

(子育ては難しい,,,,,,,) 子育てで、悩ましいのは、今日のこの子は、昨日のこの子ではないと言うことだ。1日ずつ成長する。今日奏功した対応が明日は失敗するかもしれない。 一歳の長男に絵本を取られて怒ったが五歳の長女が,長男を突き飛ばし、泣き叫ぶ長男。 「○○が悪い‼︎」と暴力を正当化する長女。 長女を叱りたくなる所だけど、 「パパは、○○ちゃんがパパの大事な物を取っても○○ちゃんを叩きたくない。」 と言ってみた。感情の昂りが止まったようなので、 「パパは○○ちゃんが好きだから、○○ちゃんを叩いて○○ちゃんが痛いのは嫌だ。」 と言ってみた所、長女は、長男に絵本を読み聞かせてくれた。 5歳になった娘に対する、「共感の論理」を用いた対話が功を奏した稀な成功例だ。 親である以上、上から力で抑えつけるべき時があることは否定しない。 しかし、論理を紡ぐ努力を放棄して、力で抑えつけてしまえば、知性も共感も磨かれない。

常に一兵卒として

常に一兵卒として 弁護士7年目,ひとりの弁護士であるとともに自らの事務所を経営する経営者としての側面もある。 しかし,いつも心に決めているのは,常に前線で戦うことである。 経歴30年の弁護士であっても,経歴2~3年の新人であっても,ひとりの弁護士として法廷で対峙する以上,ベテランも新人もない。 判断をする裁判官の心証を取れなければ負けるという点では,全く異ならない。 その裁判官もベテランであっても新人であっても,その裁判官の心証を取れなければ訴訟は負ける。 経験を重ねれば知識・技術ともに磨かれて行くことは間違いない。常に法曹の先輩から謙虚に学ぶことは,法律家にとって必要不可欠である。 ただし,社会情勢の変化の激しさと呼応するように法律の改廃も著しい。 勢いのある後輩から学ぶことも多い。 常に前線で戦っていなければ,勝負勘と言った要素は鈍ってくると思う。

再審通信【豊川事件】 脆弱な証拠構造と証拠開示の意義

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再審通信【豊川事件】 脆弱な証拠構造と証拠開示の意義 私も弁護団員のひとりとして取り組む,豊川事件について,有罪確定判決の脆弱な証拠構造と,証拠評価のあり方が,刑事裁判の基本原則に照らして許されざるものであること,及び証拠開示の意義等を論じました。 他事件の記事や,巻頭言は,弁護士として本当に勉強になります。 再審への途は,極めてハードルが高いものです。 私は,弁護士として,全力をもって取り組む価値のあることであると,強く思っています。

性悪説と法律

顧問先の社長との、やや哲学的な会話 (許可を得て投稿します) 先生は、その万が一に備える所、骨の髄まで性悪説ですね。 法律は、性悪説なんですよ。人が信じられるなら、全て道徳と常識でカタがつくから、法律も法律家もいらないんです。 法律の中でも憲法はどうですか、あれは理想ではありませんか? いや、逆に、憲法こそ徹底した人間不信、性悪説に立脚しています。権力を持った人間は必ず、それが国民代表であったとしても、自分を選んだ国民の権利や自由を破壊する。 だからこそ、憲法は権力を縛る法であり、そこに人権保障と三権分立を謳っているんです。 でも、経営は人を信じなければできません。私ひとりでできることは限られていますから。 おっしゃるとおりです。法律家の言うことを1から10まで聞いていたら、経営は立ち行かないでしょうし、事業拡大もできないと思います。 先生の助言は、時に聞き流せと。 そうです。聞き流したつもりでも、頭のどこかには、残ってるんで大丈夫ですよ。

税金安くして家失う

(税金安くして家失う) 弁護士が,法律相談を受ける際,避けて通れないのが税金の問題です。 「夫が離婚に際してマイホームを妻に渡す。」という事例を考えてみましょう。 詳細はここでは述べませんが,離婚の際の財産分与には,夫に「譲渡所得税」が課されることがあります。 この点を勘違いしていたことにより,財産分与そのものが無効になることもあり得ます (最高裁第1小法廷平成元年9月14日判決参照)。 そこで,この「譲渡所得税」発生を避けるため(譲渡所得に関する証明の手間を省くため),離婚前に夫が妻にマイホームを「贈与」することも考えられます。 婚姻期間が 20 年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除 110 万円のほかに最高 2,000 万円まで控除 ( 配偶者控除 ) できるという特例があるからです。 しかし,夫に借金があった場合,この「贈与」は,債権者の強制執行を免れるためであるとして,債権者によって取り消されることがあります(詐害行為取消)。 債務超過にある人が,自分の財産を,タダであげる(贈与する)ことは,財産隠しに他ならないからです。 この場合,たとえ「譲渡所得税」がかかったとしても,きちんと「財産分与」しておけば,財産分与として相当な分は詐害行為取消を免れ得ます(最高裁昭和58年12月19日第二小法廷判決参照)。 税金を払わずにすむために,「贈与」で登記をしておきながら,後で「財産分与」であると主張しても,その主張は困難です。なぜなら,「登記はその記載事項につき事実上の推定力を有するから,登記事項は反証のないかぎり真実であると推定すべきである。」(最高裁昭和46年6月29日第三小法廷判決)とされているからです。 「税金安くして家失う」の典型例です。 このように,「夫が離婚に際してマイホームを妻に渡す。」という事例ひとつとっても,法的な側面及び税金の側面双方からの検討が必要になるのです。

ぼくのおふろ~2歳児のための近接所持~

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「ぼくのおふろ~2歳児のための近接所持~」 鈴木のりたけ先生の「 ぼくのおふろ」 (PHPわたしのえほん)  娘が大好きな絵本です。 絵本としておもしろく,すごくおすすめです。 実は,この絵本「法律書」としても読むことができます。 「もじゃもじゃあたまのサングラス きっとあいつが犯人だ。」 もじゃもじゃあたまのサングラスは,犯人と言えるのだろうか? 窃盗が行われた日時場所と近接した日時場所でもじゃもじゃあたまのサングラスは,盗品を所持していたと本当に言えるだろうか? 盗まれたおふろのせんと,もじゃもじゃあたまが持っているおふろのせんは,本当に同じものなんだろうか? 盗まれたおふろのせんは,汎用品だろうか?特注品だろうか? 盗まれたおふろのせん,もじゃもじゃあたまが持っているおふろのせんが汎用品だったとして,もじゃもじゃは他機会に入手したのではないか? その可能性・合理性はどうか?? 本件では,窃盗の犯人性を推認するための間接事実として,近接所持(福岡高裁平成4年7月16日判決・判例タイムズ799号254頁等)を認定し得るのか? もじゃもじゃあたまのサングラスは,常識に照らして間違いなく犯人と言えるのか? 裁判員に選ばれたら,市民の皆様が,こういったことに悩みつつ,もじゃもじゃあたまのサングラスの「犯人性」を認定していくことになります。 「ぼくのおふろ」 深い絵本です。

反対尋問の基本

(反対尋問の基本) 反対尋問の基本は,「はい」と答えさせつつ,相手を逃れられないところに追い込んでいく点にある。 敵に,敵にとって不利な事実を承認させる!!! これが,最大の目的である。 以下は,スケート帰りの父と娘。 ディズニーに連れていってほしい娘と,ディズニーに行きたくないパパとのやり取りである。 ① ひま  「パパはスケート楽しかった?」    パパ  「楽しかったよ。」 ② ひま  「ひまちゃんが楽しいとパパも楽しいの。」 ...    パパ  「そうだよ。」 ③ ひま  「ひまちゃんが好きだから?」    パパ  「そうだよ。」 ④ ひま  「じゃあ,ひまちゃんが行って楽しい所に行けるね。」    パパ  「そうとは限らないよ。場所による。」 ④の回答で,    「そうだよ。」   という答えを引き出し, ⑤に    「じゃあ,ディズニーランドにもパパ行けるね。」   という質問につなげるつもりだったんだろうけど,,,, この問答は,結論を急ぎすぎ。急所に弾丸を撃ち込む前にもっと慎重に雌伏して接近しなければ・・・・・パパの信念を曲げるには至らない。 合格点に至るには,④以下は,少なくとも次のような流れであるべきだった。 ④ ひま  「でも,パパ,スケート,全然自分で滑れなかったよね。ずっとひまちゃんと手をつないでたもんね。」    パパ  「そうだね。」 ⑤ ひま  「それでも楽しかったの?」    パパ  「そうだよ。」 ⑥ ひま  「じゃあ,スケートが楽しかったんじゃなくて,ひまちゃんが楽しいのがパパも楽しいんだね。」    パパ  「うーん,そうかもしれないね。」 (ここまでくれば誘導にも乗ってあげてもいい。) ⑦ ひま   「じゃあ,ひまちゃんが行って楽しい所に行けるね。」    パパ   「そうだね。」 (ここまでくればパパは娘のために信念をも曲げよう。) 娘に仕留められることを,心から願っている。

DNA鑑定は万能か その可能性と限界に迫る

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「DNA鑑定は万能か その可能性と限界に迫る」(赤根敦 著 化学同人) 科学的証拠と言う名の「アナログ」 と言う当たり前のことを再認識できた点で良書だった。 他と区別し難い微細なピークと言ったアナログな情報を「解釈」され、綺麗に整理されて「鑑定書」と言う形になると、微妙なアナログ情報が捨象されて、出た、出ないと言う結果だけが、独り歩きしてしまうリスクがある。 DNAの本だけど、科学的証拠一般に当てはまる。

眠れる森の美女 新国立劇場

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(眠れる森の美女 新国立劇場) 一歳の息子を両親に預け、妻と娘と新国立劇場で「眠れる森の美女」 東京フィルの研ぎ澄まされたチャイコフスキーの音が、あまりに心地良く、日常の疲労と相まって、第二幕のオーロラ姫の踊りで不覚にもうとうとしてしまった。 チャイコフスキーは交響曲やコンツェルトは好きでよく聴くけど、バレエ音楽を生オケで聴いたのは初めて。 ひとつひとつの音にひとつひとつの動きがしっかり乗ってる感じですごく良かった。 オペラやバレエを優れた生オケで観ると、空気の振動とともに響く音の流れが、精神の淀みを洗い流すよう。

弁護士費用について

(弁護士費用について) 【法律相談】  ①初回法律相談    最初の30分まで5000円(消費税別) その後15分ごとに2500円(消費税別) ②2回目以降の継続相談 2回目以降個別案件について継続的に相談を受け、その進行等についての具体的な助言・提案等に及ぶ場合 最初の30分まで10000円(消費税別) その後15分ごとに5000円(消費税別) *弊事務所では無料法律相談は承っておりません。予めご了承ください。 【着手金・成功報酬等】 法律相談を超えて,弊事務所にご依頼をされる場合の弁護士報酬は「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」を参考にして事件の難易に応じてご依頼者様と協議の上,増減致します。その際の概ねの目安は以下の通りです(消費税別)。 1 民事事件等 着手金 経済的利益がそれぞれ 300万円以下         8% 300万円を超え3000万円以下  5%+9万円 3000万円を超え3億円以下     3%+69万 (着手金の最低額は20万円)   報酬金    経済的利益がそれぞれ 300万円以下        16% 300万円を超え3000万円以下 10%+18万円 3000万円を超え3億円以下 6%+138万 (報酬金の最低額は20万円) *法テラス利用の受任は承っておりません。 2 法律顧問契約 月額 3万円~ (企業規模に応じて協議の上決定) *なお弊事務所の顧問契約は役員の方、従業員の方個人の法律相談も顧問契約の範囲内でお受けしております(利益相反が生じる場合を除く)。福利厚生としてお役立て下さい。 *顧問先からの事件の受任は着手金及び報酬金の最低額はそれぞれ10万円とし、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」を参考にして事件の難易に応じて協議して定めることとします。 3 刑事事件 着手金・報酬金について ① 通常事件 それぞれ30万円~ ② 裁判員裁判対象事件 それぞれ100万円〜 *事件の難易に応じ協議の上決定する。 *なお着手金及び報酬金は捜査段階と公判段階でそれぞれ定める。また公判においては審級ごとに定める。 *御相談をお受けするのは,御紹介を受けられた方のみとさせて頂きます。予めご了承ください。 *執務時間 平日午前9時〜午後6時まで(顧問先及び顧問先の御紹介を受けられた方に限り執務時間外対応も致します)

菊地令比等法律事務所について

(ご 挨 拶) 解決へのプロセスを共有する 私が,弁護士として,ひとりの法律家として,仕事をするに当たって常に意識していることです。 法の本質は,国家権力による「強制」にあります。 「1000万円払え」という判決を受け,従わなければ預貯金等を嫌でも取られてしまいます。 懲役1年に処するという判決を受けてしまえば嫌でも刑務所に入れられてしまいます。 このような「強制力」があるからこそ,法的紛争解決には,説得と納得へのプロセスが重要なのです。 なぜ,どうして,どのように,という疑問に真摯に向き合い,共有していくことで,最終的な「強制」も許容されるのであると考えています。 弁護士は法律のプロではあっても,他の分野では素人です。 弁護士自身が,依頼者様からよく学び,納得いくまで協議を重ねる。 その上で,法的な解決へのアプローチを,納得いくまで丁寧にご説明する。 そのように「解決へのプロセスを共有する」ことに私は重きを置いています。 (菊地令比等法律事務所) 住所:愛知県豊橋市大国町105番地レグルスアーク1-1 電話:0532-21-9278 *御相談をお受けするのは,御紹介を受けられた方のみとさせて頂きます。予めご了承ください。 *執務時間 平日午前9時〜午後6時まで(顧問先及び顧問先の御紹介を受けられた方に限り執務時間外対応も致します)